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ファーマシ―そま通信2023冬号

2023.01.25

ファーマシーそま通信 2023年冬号
 私たちのオススメ
 
~痰(たん)と咳(せき)~
                  兒玉眞理子
 痰と咳の協同作業
 鼻腔から肺までの気道の粘膜は、線毛を持った細胞に覆われ、分泌される粘液とともにホコリやウイルスなどの異物が肺へ侵入するのを防いでいます。粘液は異物を絡めとり、塊となります。
 その「塊」が痰です。線毛はベルトコンベヤーのような動きで痰を外に追い出します。痰は約90%が水分で、残りの多くがムチンと呼ばれる粘液成分です。ムチンはサラサラ成分とネバネバ成分がバランスよく存在しています。通常、少量でサラサラ成分が多い粘液は線毛で流され、嚥下されますが、異物が多いとネバネバ成分が増えて痰が線毛にへばりつきます。そうなると線毛がうまく痰を排除できなくなってジェット気流で強制的に吐き出そうと身体が反射的に働きます。これが「咳」です。

 
  つまり痰や咳は異物侵入の注意報であり、線毛と粘液は、私たちが持っている自然の防御隊なのです。冬は寒さや空気の乾燥により線毛の動きが弱くなるので、防御隊のケアも必要です。
 
去痰と鎮咳
 「ゴホン」の咳1回で2キロカロリー消費すると言われています。1分間に2回の「ゴホン、ゴホン」が1時間続くと、240キロカロリーを消費します。これは体重50㎏の人が1時間軽いジョギングをした時の260キロカロリーに匹敵します。咳は体力を消耗させるだけでなく、気道を傷つけ、睡眠を邪魔したりするので、咳を止める(鎮咳)ことが重要になるのですが、むやみに止めると痰が排出されにくくなって息苦しくなったり、かえって咳が長引くことにつながりかねません咳の原因となっている痰を排泄すること(去痰)も大切なのです
 風邪などの呼吸器感染症の場合は通常2週間程度で諸症状は落ち着いてきます。しかし、鼻に炎症が残ると蓄膿症となり、ネバネバ成分の多い鼻水がのどに流れて痰のようにへばりつく後鼻漏で咳が長引くことがあります。
 新型コロナウイルス感染症でも咳や痰、息苦しさが長引くことがよく起きているようです。
 去痰・鎮咳ともに大事。症状に合わせたお薬で自然の防衛隊の後押しをしてあげましょう。


 
~新型コロナウイルス感染症と血管内皮細胞!!~
                        兒玉眞理子
 
 新型コロナウイルス感染症では、ウイルスのスパイク蛋白質が、主に血管にあるACE2受容体に結合することが知られています。昨年の8月に京都府立医科大学の研究チームによって、老化した血管内皮細胞は若い血管内皮細胞に比べて800倍ものウイルスが細胞内に侵入していることを突き止めたとする論文が発表されました。また、同論文によると、老化した血管内皮細胞ではウイルスが消失した後でも多くの遺伝子発現に影響が及んでおり、特に血栓の形成に関与する遺伝子発現が強い影響を受けることが分かりました。すなわち血管、特に血管内皮細胞が老化していると感染リスクが高まるばかりか、血栓の発生リスクも上昇するなど重症化リスクが高くなるとのことです。
 
 昨年10月に中国科学院の研究チームがネイチャー誌に発表した論文によれば、すべての血管の内側は内皮細胞で覆われており、血管内皮細胞は血管の緊張や抗酸化、抗炎症作用などを調節するほか、血液が固まらないよう、多くの抗凝固・抗血栓因子を合成・分泌し、血液をサラサラに保つのに必須の役割を果たしている。この血管内皮細胞が新型コロナウイルスのスパイク蛋白質の影響、また、炎症性サイトカインの影響で機能不全に陥ることが新型コロナウイルス感染症の病態の本質であるとしています。
 新型コロナウイルス感染症に関しては、当初、若い人では重症化リスクが低いとされていました。自然免疫力の強さもさることながら、そもそも血管が若いことが感染と重症化リスクの低下につながっていた可能性が高いと思われます
 中国科学院の論文では、感染後の後遺症に関しても主に血管内皮細胞の障害が影響を与えている可能性が高いとしています。
 
 ところで、ワクチン接種後に死亡または後遺症を発症するケースがあることから、厚生労働省も実態調査を計画しているようです。今年の9月に広島大学で新型コロナワクチンを接種後に死亡した4名を解剖したところ、1回目接種で免疫機能がワクチンに反応しやすくなり、2回目接種で過剰反応つまりサイトカインストームが発生して死亡(死亡時の体温は39℃~46℃)したと推定されるとの発表がありました。また、ワクチン接種後の後遺症に関しては、免疫反応以外にも体内で生成されるスパイク蛋白質が血管内皮細胞にダメージを与えている可能性もあるかもしれません。
 ワクチンを何回も接種する方は、丹参製剤(冠元顆粒・冠心調血飲)や田七人参(夢三七)、牛黄製剤(霊黄参・清心丸等)、GBE-24で血流や血管の状態を良くしておくことが必要かと思います。


 
~桂皮のよもやま話~
                    兒玉眞理子
 
 桂皮(シナモン)は漢方薬には頻繁に使われる生薬です。華僑の人達のなかでは「少しずつ服用していると病気にならない」と言われているそうです。
 桂皮は胃腸の不調によく使われます。マウスのエサに桂皮の粉末を混ぜて3週間から4週間飼育した後にストレスを与えて胃潰瘍ができるかどうか、実験したところ、桂皮入りのエサを食べたマウスは、桂皮なしのエサを食べていたマウスに比べて、胃潰瘍の面積が小さくなりました桂皮を食べた期間は1週間より4週間と長い方が胃潰瘍を良く予防しました。
 また、アルコールによる胃潰瘍には効果が大きかったのですが、インドメタシン(消炎鎮痛剤)による胃潰瘍は予防しなかったとのことです。
 桂皮の主成分はシンナムアルデヒドですが、シンナムアルデヒドのみでは胃潰瘍の予防効果はあまり強くありませんでした。桂皮の複数成分の共働作業によるようです。
 この実験の際、桂皮入りのエサを食べたマウスは食べる量が増えたのですが体重はふえませんでした。後にわかったことですが、運動量も増えたそうです。また、桂皮の香りのみを与えても食欲が増すことがわかりました。
 
 
 
~乾燥のかゆみには保湿剤の理由~
-NHKかゆみのトリセツより-
 
 冬は空気が乾燥して乾燥肌になります。身体を守るため、かゆみ神経が表皮に伸びてきます。すると少しの刺激でもかゆみを感じやすくなってしまします。
 かゆみ神経の伸びを抑えてくれているのが「セマフォリン3A」というタンパク質です。しかし、乾燥により皮膚から水分とカルシウムが向けだすと「セマフォリン3A」は生み出されなくなり、その結果かゆみ神経が延びてしまいます
 その上皮膚をかきむしると、皮膚のバリアーである角層が壊れてしまい、もっと水分とカルシウムイオンが減り、セマフォリン3Aも減ってさらにかゆみを感じやすくなってしまいます。
 かゆみ神経の伸びを抑えるには、保湿剤を塗ることです
 塗り方
 ① 量はたっぷり(人差し指の第一関節までの量が手のひら2枚分)
 ② ゆっくり優しく30回塗り伸ばす。皮膚は摩擦に弱いので、優しく!
 ③ 朝と夜。着替えの時や入浴後など、肌を露出したときに塗ると、面倒くさくない。
     良く洗う手などは、その都度塗った方が良いでしょう。


 
〜収束しないコロナ…結局は免疫力!~
                   丸茂佳補子
 
 今年の友人からの年賀状に「もう…コロナに飽きました」とありました。
「たしかに…」と思いつつ、まだまだ上手く付き合っていかないといけない現状でもあります。さらにインフルエンザ猛威も重なり、コロナとインフルエンザの同時感染の『フルロナ』感染も増えてきて、ますます終わりが見えずですが「もう…慣れっこ」になってきているのも事実です。
 
 皆様ご存知のお話ですが、コロナ禍に負けない、健康でいられる為には、自身を守る力の免疫力が大きく関わってきます。免疫力を上げるコツは、食べ物、生活習慣、運動、ストレスコントロールと様々です。
 
 〇腸内環境を整える 善玉菌を活性化させる発酵食品(いろいろな種類)を毎日摂ることで腸内細菌の多様性を高めます。
 〇自律神経のバランスを整える 起きている日中に優位になる交感神経とリラックスしている時や睡眠中に優位になる副交感神経を、バランス良く保つように心がけ、規則正しい生活でストレスを貯めないことが大事です。
 〇基礎代謝を上げる 基礎代謝を上げるためには体温36.5度以上を目指し、体を温める食材を摂り適度な運動で筋肉量を保つこともポイントです。頑張りすぎない運動で大丈夫!続けることで筋肉を保ち脳細胞も刺激されボケ防止やストレス解消にもなります。
 〇1日1回大笑いで免疫力を即アップ 笑うと自律神経が安定し病気になりにくいと言われています。鏡の前でニッコリ笑う、口角を上げるだけでも効果があります。
 
  新年が明け、卯年。新しいことに挑戦する最適な年と言われています。今一度、生活習慣を見直し、よく噛んでバランスの良い食事をして腸内環境を整え、適度な運動を行い、笑顔で毎日を過ごし、ウイルスに負けない身体を作りませんか。
 
 私の現状は…冬は寒さに負けてしまい、身体を動かす機会を逃す。じゃなく…
あきらめてしまう私です。身体を動かさないと筋肉がどんどん衰えます。筋肉量が減ると代謝も低下し、痩せにくい身体になってしまうのも承知なのですが、なかなか運動習慣を定着できません。
うさぎ年!ずっと使うこのカラダを健康的に維持するために頑張りすぎない運動習慣を身につけ「ピョンピョン!」と飛躍の年を目指します。
 
 2023年も心身共に皆様の健康をお手伝いさせていただけたらと存じます。
ご相談お待ちしております。