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ファーマシーそま通信2024年盛夏号

2024.08.28

ファーマシーそま通信 2024盛夏号
      私たちのオススメ

☆血液検査のコレステロールや中性脂肪の値が気になる!?☆
 

       漢方薬で改善してみませんか!

              川元尚子
 

血液検査の結果を見ると、中性脂肪の検査値が標準より高い。悪玉コレステロール値(LDL―cho)が高くて、善玉コレステロール値(HDL-cho)が低い。

医者から「食事に気をつけなさい。薬出しましょうか。」と言われていませんか。

いわゆる高脂血症の状態が続くと、血液の粘度が高くなって血流が悪くなります

その結果、高血圧になったり、またその状態が長くなるとコレステロールが血管の内壁に溜まっていくために血管が狭くなることもあります。そうなると狭心症動脈硬化の心配も出てきます。

「病院から高脂血症の治療薬をもらって飲んでいるけれど、ずっと長年の飲むのは副作用も心配。」
         漢方薬で少しずつ改善していきませんか

 

不要なものを、便から身体の外に排出する漢方薬があります。この漢方薬を服用することで、血中の中性脂肪やコレステロールを減少させることが可能です。

 

また中医学では、古い血液によって血流が悪くなっている状態を“瘀血(”と言います。

高脂血症はまさに“お血”の状態です。上記の漢方薬に、血流を強力に改善する漢方薬「冠心調血飲」「冠元顆粒」を合わせて服用してみることをお勧めします。

 

病院の薬よりも効果が現れるのはゆっくりですが、身体にやさしく、血液をきれいにしていきます。少し気長に続けていただきたいお薬です。

 

まずは病院の薬と併用して、始めてみませんか。

でも高脂血症には、食事に気を付けると適度な運動もお忘れなく!

 

☆笑って健康になる!☆

                         兒玉眞理子

  昔からポジティブな感情が心身の健康に良いことは知られていましたが、笑いについて学術的な研究が行われるようになったのは20世紀以降です。

 

◎笑いの研究の始まり

 1964年、米国のノーマン・カマンズというジャーナリストが、硬直性脊椎炎という自己免疫疾患を発症しました。発熱と耐え難い背中の痛みに苦しめられ、治癒する見込みは500人に一人。彼は既存の治療以外の方法を模索し始めました。当時、精神的負担が心身に悪影響を及ぼすことは知られていたので、医師と相談の上、ビタミンCを静脈注射し、コメディ動画を見て大笑いするという独自の回復プログラムを開発しました。その時の体験から、「数分間本気で笑うと2時間は痛みのない睡眠が得られるという嬉しい発見をした」と報告しました。その後、「笑い」の働きについて研究が活発に行われるようになり、現在も様々な研究が行われています。
 

◎笑いの効果① 

たった数分笑うだけでも、健康に効果があることが分かっています

笑うとまず、呼吸が速くなります。たくさんの空気を肺が取り込むことで酸素が血液中の赤血球に届けられ、心臓の鼓動が速くなり、酸素を豊富に含んだ血液が全身に送り出され、新陳代謝が活性化されます。興奮して笑った後は動脈が拡張し、血圧が低下することでリラックスした状態に移行します。この時、自律神経の調節も併せて行われます

 

◎笑いの効果② 

笑いはβ-エンドルフィンという物質の分泌を促進します。β-エンドルフィンは、マラソンなど苦しい状態が続いたときに快感を覚える「ランナーズハイ」を起こすことで有名な物質です。幸せホルモンとも呼ばれ、運動後の爽快感、精神的ストレスの解消に働きます。熱いお風呂に入った時も出るそうです。

 この物質は血管内皮細胞(血管の内側を覆っている細胞)に作用することで、動脈硬化を予防する働きがあり血管全体の健康の助けになることが分かっています。

 β-エンドルフィンの分泌以外にも、ナチュラルキラー細胞の活性化や免疫グロブリンGの増加といった免疫機能を活性化させることが報告されており、笑いには病気から身体を守る働きも期待できます

 

●笑いの難点
笑いに効果があるのはわかりましたが、難点があります。それは、一人でいるときに自然に笑う人はほとんどいないということです!!お笑い番組を見て笑うというケースはありますが、これも一人で見るよりグループで見る方が笑いの頻度が増すことが分かっています

 これは進化の過程で、笑いがコミュニケーションの手段として発達して来たことが原因だと考えられているそうです。1日の会話時間が長い人ほど、笑う頻度が高いことが分かっているので、積極的に人付き合いを増やした方が良いです。そう言われても人づきあいが苦手な方は、お笑い番組を見ながら意識して笑うだけでも効果があることが分かっているので、機会を逃さないようにしましょう!

 

☆国際ニンニクシンポジウム☆

                        兒玉眞理子
 

ニンニクについて国際的な会議があるのをご存知でしょうか? 

本年4月26日〜28日まで、ドイツのミュンヘンで、7回目となる国際ニンニクシンポジウムが開催されました。今回は19カ国から約170名の参加者があり、非常に盛況な会議となりました。

 41の演題のうち、30題が熟成ニンニク抽出液(AGE)に関する研究でした。

  • 血管内皮機能を高め、血管拡張する結果認知機能障害を防ぐ傾向にありました。
  • 中年以降の持久系アマチュアアスリートの動脈硬化および有酸素運動時の、酸素をどれだけ効率的に利用できるかの指標、筋力、技量回復速度などで有意な向上効果が認められ、血管の柔軟性も改善する傾向にありました。
  • AGE 12か月投与で、動脈硬化症患者の末梢組織潅流を再生し、微小循環を増加させることが確認されました。
  • 肺線維症は間質性肺炎とも呼ばれ、呼吸機能が次第に低下する難治性の疾患です。肺線維症の線維芽細胞の増殖を抑制するなど、ヒト肺線維症の治療薬となる可能性が示唆された。
  • 高齢者は、しばしば消化管の運動異常に関連した症状に苦しむことがあり、これは腸管神経系の老化による損失と退化が原因であるとされています。老齢マウスでは、若年マウスに比べて、腸管の神経細胞が減少し、便の重量や水分含量、大腸の蠕動運動が有意に低下していましたが、AGEを混ぜたエサを2週間老齢マウスに与えると、これらの加齢変化はいずれも若年マウスに近いレベルにまで改善していました、
  • 抗がん剤の口腔粘膜炎を緩和することができました。

これらの研究はほんの一部です。これまでAGEの研究は、がんやコレステロール、免疫や循環器といった比較的せまい領域で行われてきたという印象ですが、今回は歯周病や運動機能に代表されるような新たな領域での研究が増えてきているようです。なかなか治療方法のない疾患・症状に役立つようになればいいですね。
 

☆胃腸を元気にすれば身体も元気!!☆

                       兒玉眞理子       

 梅雨どきは湿気が多かったですね。漢方理論では湿気が多いと胃腸の機能が低下しやすくなります。

季節の変わり目は温度変化が大きく、体温調節を担う「気」を消耗しやすく、「気」の主な発生源である脾(胃腸)に負担がかかります。

 さらに、今は、エアコンが効いている室内と屋外の温度差が大きくなるうえに、冷たいものを摂る機会が増えて、ますます脾(胃腸)がダメージを受けやすくなります。

 そこで、暑い時期は、脾(胃腸)の機能を損なわないようにすることが大事です
 

最近の科学的研究でも、脾(胃腸)の機能は、腸内細菌が大きく関係していることが明らかになって来ています。腸内細菌叢を健全にするには、水溶性食物繊維を多く含むイモ類、豆類、海藻類などのほか、発酵食品を摂るのが基本となります。特に麹菌が関わる味噌や甘酒、漬物などがお勧めです。これらの発酵食品にはアミノ酸ペプチド(*1)、有機酸などが含まれています。 

 特にピログルタミルペプチドと呼ばれる特殊なペプチドは腸内細菌バランスを改善し、大腸の炎症や肝炎あるいは肥満などの改善に有効なことが報告されています。

 どんな働きをしているか? 京都大学大学院農学研究科の佐藤健司教授らの研究チームによれば、ピログルタミルペプチドが小腸のα-ディフェンシという物質の分泌を刺激することで腸内細菌バランスを改善しているそうです。

 α-ディフェンシンとはなんでしょうか? α-ディフェンシンとは、小腸のパネト細胞から分泌され、食物などと共に腸管に侵入してくる病原菌だけに反応する抗菌ペプチドです。口から入る病原菌は、食品に含まれるもの以外にも口腔内の悪玉菌などがありますが、そういった病原菌を退治してくれるのです。北海道大学大学院先端生命科学研究院の中村公則教授らの研究で、精神的ストレスや老化、睡眠不足によってα-ディフェンシンの分泌が低下することが解明されています。分泌が低下すれば、様々な疾患につながります。
 

通常、口から入ってくる病原菌はまずは胃酸によって殺菌されますが、最近、タケキャブなど胃酸を止める薬を常用されている人が多いです。また、若い人に多い、あまり噛まないでお茶やジュースで流し込む食べ方も胃酸が十分に働かず病原菌が腸まで入り込むリスクは高くなります。そこへ精神的ストレスや老化、睡眠不足などが重なると、α-ディフェンシンの分泌が低下して、間違いなく腸内細菌叢は乱れます

 日本の伝統的な発酵食品は栄養の補給だけでなく、腸内細菌叢を健全に保つ作用があるので、積極的に取り入れて見ましょう。    (*1 アミノ酸が2個以上繋がったもの)